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えんどうの花

【作詞】金城 栄治
【作曲】宮良 長包
【MIDI製作協力】マルちゃん

えんどうの花の 咲く頃は
幼い時を 思い出す
家(うち)の軒端に 巣をくって
暮れ方かえった あのつばめ

えんどうの花の 咲く頃は
冷たい風が 吹きました
妹おぶって 暮れ方に
苺を取りに 行った山

今朝はつめたい 風が吹き
つばめが一羽 飛んでいる
えんどうの畑は 寒いけれど
わたしゃ一人で 帰りましょう


ともしびのリーダー寺谷宏さんのCD「黒い瞳-平和とロマンを歌う-」から

宮良 長包(1883-1939)は石垣島出身の音楽の先生。
「鉄の暴風」と呼ばれた戦災で失われた作品を、近年琉球新聞で呼びかけられた全県的な聴き取り再現運動の中で約120の作品がよみがえっております。この曲も、教え子たちの記憶からよみがえったものの一つです。
あまりなじみのない曲ですが、沖縄では歌えない人はいないほどよく知られ、親しまれています。

宮良長包の生きた時代は。日清・日露戦争から、太平洋戦争の前夜まで。
この時期。沖縄では伝統文化が否定され、「皇民化教育」という名のもとに、沖縄言葉の排除と標準語の強要がさえてました。
そんな時代に、宮良長包は県師範学校の音楽教師として、堂々と沖縄音楽の良さを語っていました。
これが平易な五音音階による旋律で、沖縄のすべての人々の優しさを包み込むような感性を生み出しているゆえんです。
(うたごえ新聞2004年10月25日号、沖縄伝承音楽研究家杉本信夫さんの寄稿より)

JASRAC情報

製作日誌:
平成19年9月22日 歌詞のみ
平成19年10月7日 MIDIをアップ
平成19年10月13日 解説を補足しました。