百姓娘
【訳詞】飯塚 広
【作曲】ルーマニア民謡
1.なぜに村の人はうわさが好きなの
お金持ちも兵隊でも 私は嫌いなの
あしたの私はブラドのやさしい花嫁
ブラドは働き者 すてきなお百姓
*トラララ ラララ お嫁入り
トラララ ラララ 歌えよ踊れよ
2.俺の花嫁さん スモモの花だよ
ミルク絞りもブドウつみも 笑顔で軽やかに
真白いシャールもゆれるよ明るい花馬車
つきそう若者達 帽子に赤い羽根
*くりかえし
3.今日も咲いたスイレン ドナウの岸辺に
花のブラウス髪飾り 私の晴れ姿
ホーラを踊れば ベルトの鈴さえ高鳴る
村中踊り明かせ ツイカを飲み干せよ
*くりかえし
ルーマニア民謡「百姓娘」は昔から歌ってましたが、2番と3番があるとは知りませんでした。新宿のうたごえ喫茶でも1番を2回繰り返して歌ってます。仙台ではいかがでしょうか「バラライカ」さん?
歌詞も微妙に違ってます
2行目 兵隊 → 騎士
嫌いなの → 嫌いよ
3行目 やさしい花嫁 → 花嫁
4行目 すてきなお百姓 → お百姓
5行目 トララララ → ハッハッハッハッハハハ
聞き慣れない単語もおおいですね。早速インターネットで調べてみました。
シャール:シャール・ウイ・ダンス 何じゃこれ?
ホーラ :バビロニアでは昼と夜を十二分するホーラ(時間)の概念があった。 ン??
ツイカ :夏の果物。果肉は赤と黄色がある。そりゃ「スイカ」だろ。
そこで、エーちゃんの知恵袋「平凡社の世界大百科事典」(DVD版)を紐解きました。さすが平凡社。
ホーラ:テンポが速く,きちっとした明確なリズムをもった踊りの音楽ホラ(コロ)。この踊りの音楽はおもに器楽であるが,地域によっては歌で伴奏する踊りもある。踊りの音楽はアクサク aksak と呼ばれる2と3の単位をいろいろに組み合わせた不規則なリズムを特徴としている。
分かります?多分この「百姓娘」みたいな曲を言うのでしょうね。
歌詞がおかしなところもあります。ヨーロッパのブドウ摘みは過酷な重労働です。「笑顔で軽やかに」やるような作業ではありません。日本のブドウ畑は平地にブドウ棚を設けて、ぶら下がっているブドウを収穫します。しかし、ヨーロッパでは、南向きの斜面に高さ1.5m~2mの木を植えて、そこに数房なっているものを収穫します。急勾配な斜面を登り、滑り落ちないように行う作業は大変なものです。(もっとも、ブラドさんのブドウ畑は日本風だったりして....?)
平成14年9月27日米国在住のHeidiさんからルーマニア情報をいただきました。
以下はHeidiさんのメールから
まずツイカというのはルーマニアでいうところの自家製酒です。原料はなしやりんご、果物で昔はほとんどの家で作っていたようです。農家の人が樽で売りに来て都会の人たちがペット・ボトル持参で買いに行く、切り売りが主です。味はその家、その年ごとに違います。香りは果物のような、しかし味はヴォッカに近いかもしれません。ヴォッカほどの純度はありません。しかし事あるごとにルーマニア人はツイカで乾杯するのが大好きで、特に農村のお酒といえば自家製ツイカとワインです。
シャールというのはショールのことです。なんだ-、って思いますよね。
葡萄つみですが、日本人なら1時間でできることをルーマニア人はだらだらと、でも楽しみながら半日ぐらいかけてやるんだろうなって思いました。それから彼らは仲間内で群れるのが大好きだからみんなピクニック気分で葡萄つみなんぞしているんではないかな、とも思いました。
製作日誌: