いま この街に生きている君たち
【作詞】高岡 岑郷(しんごう)
【作曲】安藤 由布樹(ゆうき)
【MIDIデータ作成】そうちゃん
この街に生まれた君。
この街に育った君。
この街に移り住んだ君。
いま、この街に生きている君たち。
高層住宅が立ち並び、
高速道路がよぎり、
地下鉄が走りぬけるこの街に、
今、君たちはいる。
この街の昔。
君たちのお父さんやお母さんが、
今の君たちよりも
もっと小さいころ、
この街にあった出来事を、
君たちは知っているか。
この街にあった出来事を、
君たちは知っているか。
[セリフ]
あの日――1945年3月10日。
真夜中の午前0時8分から
B29という爆撃機が325機。
2時間半にわたって、
約20万発の焼夷弾を
雨あられのように落とした。
街は火の海となり、
わずか一夜のうちに、
百万人の人が家を焼かれ、
十万人もの人たちが焼け死んだ。
(ゴー、ゴー、ヒュルルルルー)
(間奏)
君たちと同じ小学生たちは、
戦火を逃れて学童疎開をしていたから、
助かった。
でも、
お父さんやお母さん、兄弟みんな死んで、
独りぼっちになった。
戻ってきたとき、
住む家がなくなってしまった子が
たくさんいた。
(間奏)
6年生は、卒業式を控えて
東京へ戻ってきていた。
だから、その日、
焼け死んだ子も大勢いた。
わずか、わずか、12歳、12歳だった。
(間奏)
いま、君たち。
お父さんやお母さんが、
あの日 焼け死んでいたら
君たちは、いま いない
お父さんやお母さんが、
あの日 焼け死んでいたら
君たちは、いま いない
お父さんやお母さんが、
あの日 焼け死んでいたら
君たちは、いま いない
お父さんとお母さんがいて、
君たちがいる。
その いのちの尊さを
心に刻み込んで生きてほしい。
この街にあった出来事。
東京大空襲――3月10日
3月10日 3月10日。
この日を忘れないでほしい。
忘れないでほしい。
忘れないでほしい。
(間奏)
この街に生まれた君。
この街に育った君。
この街に移り住んだ君。
いま、この街に生きている君たち。
いま、
この街で生きているみんなの
合言葉
いま、
この街で語り継がれてほしい
合言葉
ふたたび許すな、炎の街を!
核も基地もない平和な東京を!
ふたたび許すな、炎の街を!
核も基地もない平和な世界を!
平和な世界を!
2005年は東京大空襲(1945年3月10日)の起きた年から60年ということで、この曲です。
元々は戦後50年を間近に控えた1994年に作られた曲で、「この灯を永遠に(このひをとわに)合唱団」が中心となってこれまで歌い広められています。
1995年3月に行われた「第40回全国教育系学生ゼミナール大会」の中で合唱団を招いて演奏されたのがきっかけでこの曲を知りました。
空襲の歴史を調べていると、衝撃的な事実を見つけました。第二次世界大戦中に東京大空襲を筆頭に日本各地を空襲で破壊したアメリカ人の中には、戦後、日本の勲章(その中でも格の高い勲一等旭日大綬章)をもらった人がいるのです。カーチス・ルメイ(Curtis Emerson LeMay)という人で、授章理由は「航空自衛隊の育成に貢献したから」とのこと。自衛隊の是非は脇に置いておくとしても、1964年当時のこと、選考を担当した人たちの中には戦時中にカーチス・ルメイのせいでひどい目にあった人もいるはずで、異論は出なかったのでしょうか。
インターネットで「カーチス ルメイ」または「カーティス ルメイ」をキーワードにして検索すればわかりますよ、彼が戦争で日本にどれほどの被害を与えたか、彼が戦争に対してどんな考えを持っているか、そして戦後、「チクワ音頭」にも歌われる佐藤内閣が彼へ勲章を授与したことで日本国民の神経をどれほど逆なでしたかが。
自分で破壊した国から表彰された軍人がいる。この意外な事実を私はフジテレビの「トリビアの泉」に投稿しようと思うのだが、採用されるだろうか。映像の締めくくりに使ってほしい結論をコメントとして添え書きしておけば、採用の確率はアップするかも。「戦後の復興に力を注いだ国民一人一人は、勲章よりも輝いていた。」へぇ、へぇ、へぇ。
そういえば、2003年に始まったイラク戦争でもこの歌と同じような光景がイラク各地に出現して、大戦中の日本が経験した悲しみと同様、たくさんの人が家や親しい人を失ってしまいました。しかし、日本の某政治家はこの戦争を抑えるどころか、アメリカによるイラク攻撃を支持する発言をやらかしました。
人殺しはいけないことだけど、イラクの誰かを殺さなければならないとしたらフセインだけで十分なわけで、そのほかの罪なき一般人を巻き込んでいるのですから、支持なんてとんでもない。むしろブッシュを殺人罪に問うほうが理にかなっているでしょう。
この歌の編曲に関して言えば、荘厳な雰囲気の箇所と現代ポップス風の陽気な感じを出したい箇所のメリハリを付けたかったです。打楽器とトランペットの使い方で雰囲気の違いを表現しようと思ったけど、私の現時点の能力ではここが限界…。
話は変わって、あちこちのネットカフェで「のび」にアクセスしてみて気がついたことだけど、MIDIの楽器の聞こえ方って、パソコンごとに結構異なるのですね。私が持っているパソコンはトランペットとトロンボーンが極端に聞こえにくいが、よそのパソコンはそれらがよく聞こえる代わりにクラリネットが聞こえにくい、またほかのパソコンではタンバリンが極端にうるさい。 Windows のコントロールパネルで設定をいじって解決できるものではないので、何らかの統一規格が望まれます。
とりわけ、MIDIで合奏を作る者としては、各リスナーに最大公約数的な満足を提供するためにも、楽器ごとのベロシティのバランスをむやみに崩すわけにはいかないという制約にしばられるわけで、この息苦しさからは当分逃れられそうにない。
え? だったらMP3に変換しろって? そんなことしたらファイルサイズが膨大になってエーちゃんが困るでしょ。(そうちゃん)
製作日誌:
平成17年1月5日 | 歌詞・解説のみ |
平成17年1月6日 | MIDIをアップ |
平成19年9月24日 | そうちゃんからMIDIの手直し分を送ってまいりました |