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鹿児島小原節

【作曲】鹿児島県民謡
【MIDIデータ作成協力】マルちゃん

花は霧島 たばこは国分
燃えてあがるは オハラハー 桜島
ハ ヨイヨイヨイヤサット

雨の降らんのに 草牟田川(そんたがわ)にごる
伊敷原良(いしきはらら)の オハラハー 化粧の水
ハ ヨイヨイヨイヤサット

見えた見えたよ 松原越しに
丸の十の字の オハラハー 帆が見えた
ハ ヨイヨイヨイヤサット

桜島には 霞がかかる
わたしゃおはんにオハラハー 気がかかる
ハ ヨイヨイヨイヤサット


最近、住井すゑの「橋のない川」を読んでますが、その中でタバコに関する記述が結構出てきます。
日本にタバコが入ってきたのは織田信長の時代。当時は煙草の葉を輸入して、結構高いものに。利益の源泉である種子はなかなか入ってきませんでした。指宿,長崎,平戸あたりに種子が入ってきたのが慶長年間(1596‐1615)の初めごろ。元禄年間(1688‐1704)には各地に広がり、薩摩伝来の種子から国分葉,指宿葉などが出来上がってゆきます。
エーちゃんが以前住んでいた茨城県では、ご近所さんの実家が煙草栽培をやっている、と聞いてましたが、水戸経由伝えられ水府葉というものあるそうです。

「橋のない川」では、主人公の一人畑中孝二がある年の夏休みに吉野の親戚へ煙草畑の手伝いにゆき、そのときの模様が日記風につづられてますね。
その親戚のウチの栽培面積は二反歩。約185,000枚を収穫します。葉の収穫を「葉を欠きとる」と言って、これが重労働の上に、さらに「欠く時にひどいヤニが出て、手は云うまでもなく、顔まで土人のように真っ黒になる」ということです。
(一反は300歩で約991.7㎡。二反歩は、20アール弱。現在の収穫量の目安は10アールあたり260kg前後です)

さて、本題。
この曲は、「鹿児島小原良節」とも書きます。
ルーツは、歌詞の2番にある草牟田川上流の伊敷原良でうたわれていた原良節といわれており、昭和初期に今の小原良節に改められてます。
昭和6年、鹿児島商工会議所が国産振興博覧会を開いた際の景気付けとして新民謡をつくるため、中山晋平と西条八十を招待。そこで、この曲が全国デビューするきっかけとなります。
昭和8年にこのコンビで「東京音頭」が作られたときに、これをパクったんでしょうね。

MIDI余話
参考にした楽譜(日本の民謡 西日本編 社会思想社 現代教養文庫 長田暁ニ・千藤幸蔵)に、三味線4本 二上がりと記載されてます。
二上がりとは、一の糸と二の糸,二の糸と三の糸の関係が完全5度,完全4度になる調弦。
そこで、MIDIの三味線の伴奏では、主旋律に対して上に完全5度の音をかぶせてみました。
要するに主旋律を一の糸で弾いて、完全5度上の二の糸の音をひびかせている、というイメージです。
三味線を弾いたこともないし、この辺の理論的なことも分からんで、適当な解釈でMIDIを作ってみました。どんなもんでしょうか?

JASRAC情報

製作日誌:
平成17年6月25日 歌詞のみ
平成17年7月1日 MIDIアップ
三味線の後ろに変な音が鳴っているのですが、原因不明。伴奏は、三味線と太鼓(Tom系とTambourineの組み合わせ)だけ。笛系の音がどういうわけか鳴ってるんですね。主旋律は尺八。合いの手は琴です。