さくら貝の歌
【作詞】土屋花情
【作曲】八洲秀章
【MIDIデータ作成協力】マルちゃん
うるわしき さくら貝一つ
去り行ける 君にささげん
この貝は 去年の浜辺に
われ一人 拾いし貝よ
ほのぼのと うす紅染むるは
わが燃ゆる さみし血潮よ
はろばろと かよう香りは
君恋うる 胸のさざなみ
ああなれど 我が想いははかなく
うつし世の なぎさに果てぬ
1949年のラジオ歌謡です。
エーちゃんの生まれた年ですが、記憶がないな~~。当たり前か!
どうも、こういう文語調は苦手です。
「うつしよ」=現し世=生きている今の世の中、という意味らしいです。要するに、この彼はフラレちゃったんですね。でも、歌詞を読んでも時系列的によくわかりません。
「去り行ける」は「去っていこうとしている」という意味かな?「去って行った」という完了形じゃ、どうやって捧げるんだろうね。だから、「君」は目の前にいるんだろうね。
その「君」に去年拾ったものをあげるの?そりゃ、ふられるわな
「はろばろ」という匂いってどんな香りなんでしょうね。あ~~~わからん。
【H16.9.14追記】遥遥なり、というのが古語辞典に出てました。はるか彼方から漂ってくる磯の香り、ということなのですね。
この磯の香り、というヤツが、子供のころわからなくって、悩んでました。お袋と一緒に麻布十番に買い物に行きますと、たぶん風向きなんでしょうね、お袋が「潮の匂いがする」といって、鼻をヒクヒクさせてました。麻布十番の東の入り口、一の橋は名前のとおり、「古川(下流は渋谷川)」が流れており、東京湾につながってました。結局小学生のころは全然それが理解できませんでしたが、中学生のころかな、ああ、これが磯の香りか、とわかるようになったのは。
でも、今じゃ、この近辺で磯の香りが遥遥と通ってくることはありませんね。
ところで、この「遥(はるか)」という字ですが、今日から人名漢字として使える文字の追加400数文字のひとつに入ってましたね。ってことはこれまで使えなかったんですね。
テンポの指示は1000曲集に合わせました。前奏は「なつめろ傑作集(協楽社)」から。
【H16.12.23追記】(掲示板 H16.12.21 スレ3914 テツさんより)
「去り行ける」は今風に表記するならば「去り逝ける」です。
この歌は、作曲者の八洲秀章氏の実体験をもとにしたもので、そのペンネームも亡くなった恋人の本名と戒名から一文字ずつ取ったものなのです。
このままだと作者があまりにも浮かばれないので、あしからず。
製作日誌:
平成16年9月1日 | 歌詞とMIDI |
平成16年9月2日 | 前奏(12.5小節、長いね~~)を作り変えました |
平成16年9月5日 | 全体のテンポを80に落として、途中のrit、a tempoなどを軽めにしました。(By マルちゃん) |
平成16年9月14日 | どうでもいいようなコメントの追記 |
平成16年12月23日 | 解釈についての掲示板書き込みを転載 |