卒業
【作詞】尾崎豊
【作曲】尾崎豊
校舎の影 芝生の上 すいこまれる空
幻とリアルな気持ち 感じていた
チャイムが鳴り 教室のいつもの席に座り
何に従い 従うべきか考えていた
ざわめく心 今 俺にあるものは
意味なく思えて とまどっていた
放課後 街ふらつき 俺達は風の中
孤独 瞳にうかべ 寂しく歩いた
笑い声とため息の飽和した店で
ピンボールのハイスコアー 競いあった
退屈な心 刺激さえあれば
何でも大げさにしゃべり続けた
行儀よくまじめなんて 出来やしなかった
夜の校舎 窓ガラス壊してまわった
逆らい続け あがき続けた 早く自由になりたかった
信じられぬ大人との争いの中で
許しあい いったい何 解りあえただろう
うんざりしながら それでも過ごした
ひとつだけ 解ってたこと この支配からの 卒業
誰かの喧嘩の話に みんな熱くなり
自分がどれだけ強いか 知りたかった
力だけが必要だと 頑なに信じて
従うとは負けることと言いきかした
友達にさえ 強がってみせた
時には誰かを傷つけても
やがて誰も恋に落ちて 愛の言葉と
理想の愛 それだけに心奪われた
生きる為に 計算高くなれと言うが
人を愛すまっすぐさを強く信じた
大切なのは何 愛することと
生きる為にすることの区別迷った
行儀よくまじめなんて クソくらえと思った
夜の校舎 窓ガラス壊してまわった
逆らい続け あがき続けた 早く自由になりたかった
信じられぬ大人との争いの中で
許しあい いったい何 解りあえただろう
うんざりしながら それでも過ごした
ひとつだけ 解ってたこと この支配からの 卒業
卒業して いったい何解ると言うのか
想い出のほかに 何が残るというのか
人は誰も縛られた かよわき小羊ならば
先生あなたは かよわき大人の代弁者なのか
俺達の怒り どこへ向かうべきなのか
これからは 何が俺を縛りつけるだろう
あと何度自分自身 卒業すれば
本当の自分に たどりつけるだろう
仕組まれた自由に 誰も気づかずに
あがいた日々も 終わる
この支配からの 卒業
闘いからの 卒業
以前から、ウチの会社の30代前半の若者が、カラオケで歌ってました。
うたごえ喫茶で歌われる、ということは先ずないと思いますが、「その子5」というMIDIを作っていて、生徒の側からみると、こういうことになるのかなと思って、「卒業」のMIDIを作ってみました。
15年まえの4月25日に、26歳でナゾの死。
当時から、若い世代の反抗と苦悩を描いたものとして「若者たちの教祖」的な存在になってました。
現在では、高校の倫理社会の教科書にも「僕が僕であるためには」「永遠の胸」などの歌詞の一部が採用されています。
4月19日の朝日新聞朝刊の一節から引用しますと
「人は誰も縛られた かよわき小羊ならば
先生あなたは かよわき大人の代弁者なのか」
窓ガラスを壊す一節が注目されがちだが、学校や教師との単純な対立軸に回収しきれない戸惑いこそがこの曲の魅力。
しかし実際としては、これだけの詩が書けると言うこと=問題意識を持っていると言うことは、いっときのこういう時代を過ぎれば、立派に社会でやってゆけるんじゃないかな。
一方で、問題なのは、「=sonoko5">その子5」で出てくるような、自分が何をやっているのかわからない子なんじゃないかな。また、そういう子が一番多いのだと思います。
こういう子に、自分について問いかけてみな、と云っても、ポカンとしてしまいそうです。
朝日新聞でも、最近の若者には、「卒業」の内容は重たすぎるようだ、と問題提起をしてます。
平成19年4月18日 | 歌詞のみ |
平成19年4月22日 | MIDIを作成。 楽譜(「青春のフォーク名曲大全集」ドレミ出版)は、12/8という変則的なもの。 これでは、XG Worksで編曲アレンジができない為、4/4に変換して作りました。要するに、三連符にしてしまった次第です。 |