愛燦燦

【作詞】小椋佳
【作曲】小椋佳

雨 潸々(さんさん)と この身に落ちて
わずかばかりの運の悪さを
恨んだりして
人は哀しい 哀しいものですね
それでも過去達は
優しく睫毛(まつげ)に憩う
人生って 不思議なものですね

風 散々(さんざん)と この身に荒れて
思いどおりにならない夢を
失したりして
人はかよわい かよわいものですね
それでも未来達は
人待ち顔して微笑む
人生って 嬉しいものですね

愛 燦燦と この身に降って
心秘そかな嬉し涙を
流したりして
人はかわいい かわいいものですね
ああ 過去達は 優しく睫毛に憩う
人生って 不思議なものですね

ああ 未来達は
人待ち顔して微笑む
人生って 嬉しいものですね


美空ひばりの1986年の曲です。
この頃は、インドネシアに駐在していたので、TVで実際にうたっているのを見たことがないのですが、味の素のCMソングだったんですね。
平成になったばかりの1989年6月に52歳の若さで亡くなったのですけど、この曲の出たころには不治の病の兆候が出ていたらしいです。

かなり前からレストランでは味の素(MSG)を使わないというのが一つの売りになっておりますが、我が家でも、もう長いこと味の素は使ってません。
非常に簡便な調味料で、さとうきびを発酵させてグルタミン酸を作り、苛性ソーダで中和したグルタミン酸ナトリウム(Monosodium Glutamate MSG)というのが化学名で、昔は胡散臭い化学合成物質でしたが、最近では製法も変革して一種の発酵製品となってます。あまり神経を使う事もないのではないかと思うのですけど、スーパーでもほとんど見かけないです。
ただ、業務用のスーパーでは1kg入りの大袋ものが売っておりますので、中華料理などではまだふんだんに使われているのでしょう。
この「ふんだんに」がくせもので、いわば過ぎたるは及ばざるがごとし、耳かき一杯程度で十分なものを、ついつい入れすぎたら健康障害も起こります。

ついでにチクロの話し。
砂糖の40倍程度の甘さのある人工甘味料ですが、FDA(米食品医薬品局)が認可していないため使えませんけど、400倍の甘さというサッカリンは用途限定でOKになってます。
結構愛飲しているダイエットコーラなんですけど、サッカリンやアスパラテームが使われており、いやな後味が結構長いこと残ります。
それに引き換え、チクロは自然な味覚のためそういう欠点がないのです。
しかし、チクロについては発がん性ということで禁止されましたが、MSG同様に、大量摂取したら問題ですけど、換算で同等量の摂取をしたら砂糖だって危ない食品です。

食品添加物は使い方を誤ると大変なことになりますので、安心・安全ということから規制がされているという事ですね。

さて、本題
この曲では、潸々(さんさん)、散々(さんざん)、燦燦(さんさん)と日本語の美しさをフル活用して人生の機微を表しています。
潸々とは、「静かに絶え間なく雨が降るさま」(類語新辞典)を表しており、実際の文章での使用例としては、「涙の流れるさま」として使われることから、この1番は、過去の辛さを思い出したもの。
人間って至福の時間は一瞬で過ぎ去ってしまって、なんで苦しみには長くさいなまわれるのでしょうね。
散々(さんざん)は、日常的にも「散々な目にあう」など、ご存知の通り。
燦燦(さんさん)は、「太陽などの光が、きらきらと輝くさま」(広辞苑)であり、人生の希望をうまいこと表現した言葉だと思います。

JASRAC情報
製作日誌:
平成24年3月20日 歌詞のみ
平成24年3月28日 MIDIをアップ