群青譜面

作詞 福島県南相馬市立小高中学校 平成24年度卒業生
作曲 小田美樹
編曲 信長貴富

ああ あの街で生まれて君と出会い
たくさんの想い抱いて 
一緒に時を過ごしたね

今旅立つ日 見える景色は違っても
遠い場所で 君も同じ空
きっと見上げてるはず

「またね」と手を振るけど
明日も会えるのかな
遠ざかる 君の笑顔今でも忘れない

あの日見た夕日 あの日見た花火
いつでも君がいたね
当たり前が幸せと知った

自転車をこいで 君と行った海
鮮やかな記憶が
目を閉じれば 群青に染まる

あれから二年の日が 僕らの中を過ぎて
三月の風に吹かれ 君を今でも想う

響けこの歌声
響け遠くまでも あの空の彼方へも
大切な全てに届け

涙のあとにも 見上げた夜空に
希望が光ってるよ

僕らを待つ群青の街で
ああー

きっとまた会おう
あの街で会おう 僕らの約束は
消えはしない 群青の絆

また 会おう
群青の街で


2015年に愛知で日本のうたごえ祭典が開催されこの曲が演奏されました。
ところが、例年発行される祭典歌集にこの曲が出ていなかったので、前評判としては今一つだったんじゃないかな。
当日は、やたら中学生がたくさん出てきて賑やかな舞台だな、程度の記憶しかなかったです。
翌年、新宿区のある合唱団がこの曲を演奏するので手伝ってくれ、と頼まれ、混声3部(男声は1パート)で歌ってみました。なかなか素晴らしい曲で、歌っていて感動しました。
その後、地元の合同合唱団でも取り上げ、その際は混声4部で取り組み、以来、何度かこの曲でステージに立ってます。
先月、新宿のうたごえの店ともしびの新しい歌集に「群青」が採用されたということを聴きまして、早速、当店のレパートリーにも加えてみました。

この曲は、作詞者のところでも書いてますが、2012年の卒業生の想いが綴られています。
2011年3月11日、南相馬市小高地区では避難指示が出て、全区民が町からいなくなります。その時の体験が詞に込められています。
詩の中に「あれから2年の・・・」というフレーズがあります。こういうフレーズは歌う年ごとに+1してゆくということを見かけます。例えば、「わたしを褒めてください」では元々は「この世に生まれて58年」という歌詞でしたが、歌うときは憲法制定から何年目ということを意識して変えて歌ってます。
ところが、小田先生は「このまま」を主張して「2年」にままになってます。
2011年は忘れられない年てですから、当時中学1年生だった子どもたちが、2年後に卒業するという記録を第一に考えたのだと思います。

製作日誌:
令和5年1月1日 歌詞とMIDI
MIDIは混声4部の楽譜を中心に各パートの旋律部分を継ぎ足してメロ譜を作りました。
オブリガート風にフルートで鳴らしているのはアルトパートです。