牧場の朝

【作詞】杉村楚人冠
【作曲】船橋 栄吉
【MIDI製作協力】マルちゃん

ただ一面に立ちこめた
牧場の朝の霧の海
ポプラ並木のうっすりと
黒い底から 勇ましく
鐘が鳴る鳴る かんかんと

もう起出した小舎小舎の
あたりに高い人の声
霧に包まれ、あちこちに
動く羊の幾群の
鈴が鳴る鳴る りんりんと

今さし昇る日の影に
夢からさめた森や山
あかい光に染められた
遠い野末に、牧童の
笛が鳴る鳴る ぴいぴいと


昭和7年「新訂尋常小学唱歌(四)」に発表された曲です。

ドイツ駐在時代には、ゴルフをよくやっておりまして、早朝にゴルフ場へ行くのですが、牧場に隣接するゴルフ場がありました。
住んでいたデュッセルドルフから車で30分ぐらいのところです。
今の季節ですと、白アスパラガスのシーズンで、ゴルフ場の入り口近くにアスパラ畑があり、早朝の収穫をやってました。
ゴルフ場の方はまだ靄がかかっており、ちょうどこの歌のような風景。
牛が草を食んでいる横をボールを打ちながら進んで行くわけです。
エーちゃんの場合は、ド下手のため、ボールがまっすぐに飛んでくれず、よく牧場の方に入ってしまいました。
取りに行こうとすると、ドッコイ、囲いとして針金がひいてありそれに微弱電流が流れているわけです。これで牛さんの逃亡を防いでいるんですね。
ですから、すぐそこに、エーちゃんのボールが見えるんですけど、取りに行けない、なんともトホホなゴルフになるわけです。これもそれも、腕さえよければこんなことにはならないのですけど。

そうそう、鐘もなってます。
夏はサマータイムで6時頃にはスタートするのですけど(ビジターは、ドイツ人のクラブメンバーがやってくる前に遊ばせてくれるわけですけど)、しばらくまわって7時ごろかな、教会の鐘が鳴りだすんですね。朝の時報みたいなもんでしょう。
10時頃にはワンラウンドを廻って上がってきて、かるい昼食。
ここで、とれたてのアスパラガス料理をいただくわけです。
しっかりと茹でて、バター味のオランダソースをかけてむしゃぶりつく。この季節の至高の味わいです。日本では、グリーンアスパラが主流ですけど、ヨーロッパではホワイト。
収穫の手間暇が違うんです。グリーンは、そのまま植えておけばいいのですけど、白はおひさまに当たらないように土をかぶせておく訳で、収穫は、まさに掘り出す、という重労働。でも、それだけ手間がかかっている分、美味しいんですね。
日本ではホワイトというと缶詰ですけど、あれとは全然ちがうんです。
ヨーロッパにゆくなら、5月のアスパラの季節。それと12月のムール貝もいいですよ。

JASRAC情報

製作日誌:
平成20年5月24日 歌詞のみ
平成20年6月6日 MIDIをアップ
平成21年7月9日 歌いやすいように1音下げました。(D→C)
鐘の音をGlockenspiel(鉄琴)からTubularBells(のど自慢の鐘)に変更しました。