大利根月夜

【作詞】藤田 まさと
【作曲】長津 義司

あれを御覧と 指さすかたに
利根の流れを ながれ月
昔笑うて ながめた月も
今日は 今日は涙の 顔で見る

愚痴じゃなけれど 世が世であれば
殿のまねきの 月見酒
男平手と もてはやされて
今じゃ 今じゃ浮世を 三度笠

もとをただせば 侍育ち
腕は自慢の 千葉仕込み
何が不足で 大利根ぐらし
故郷(くに)じゃ 故郷じゃ妹が 待つものを


昭和14年の田端義雄のヒット。
エーちゃん、20代の若いころは、三波春夫の浪曲風「大利根無情」の方をよく聞いてました。
(LPも持っていたし)
これらの曲は、江戸時代も終焉の頃、千葉道場から流れ着いて笹川繁蔵一家の助っ人となった平手造酒が大利根河原の決闘で飯岡助五郎一家を打ち負かすストーリー。
(打ち負かすといっても、闘死してしまうますけど)
三波春夫の方は、浪曲風の独白で、平手造酒が、「御玉ヶ池の千葉道場、平手造酒も今じゃやくざの用心棒」と自嘲気味。いざ決闘になると、「止めて下さるな妙心殿。平手造酒は武士でござる、行かねばならぬ、行かねばならぬのだ」と肺結核をおして大喧嘩に臨む心境を語っています。
平手造酒30歳代の若くして散った仕事師の物語。

三波春夫の同じLPに「南部坂雪の別れ」という半浪曲風のものがあって、大石内蔵助と瑤泉院の別れの場面ですが、シチュエーションが似てるなあ、って聞いてました。
瑤泉院は有名ですけど、利根川の妙心さんってどなんな方なんでしょね。
いずれも、男の散り際の女性との別れって劇的ですね。

JASRAC情報
製作日誌:
平成24年8月5日 歌詞とMIDIをアップ
当サイトには珍しいド演歌です。
実は、昨日、近所のデイサービスでうたごえのボランティアをやってきたのですけど、その際にリクエストがありまして、こういうのもなかなかいいわい、と早速取り上げました。