死んだ男の残したものは (3拍子版)

【作詞】谷川俊太郎
【作曲】武満徹

1.死んだ男の残したものは
  ひとりの妻と ひとりの子ども
  他には何も残さなかった
  墓石ひとつ残さなかった

2.死んだ女の残したものは
  しおれた花と ひとりの子ども
  他には何も残さなかった
  着もの一枚残さなかった

3.死んだ子どもの残したものは
  ねじれた脚と 乾いた涙
  他には何も残さなかった
  思い出ひとつ 残さなかった

4.死んだ兵士の残したものは
  こわれた銃とゆがんだ地球
  他には何も残せなかった
  平和ひとつ 残せなかった

5.死んだ彼らの残したものは
  生きてる私 生きてるあなた
  他には誰も 残っていない
  他には誰も 残っていない

6.死んだ歴史の残したものは
  輝く今日と また来る明日
  他には何も残っていない
  他には何も残っていない


最初、4拍子でMIDIデータを作りましたが、やっぱ、この曲は3拍子ですね。

60年代当時、デューク・エイセス、森山良子、高石ともやが歌っていたらしいですが、歌手の歌っているのは聴いた事がありません。カチューシャ歌集や灯の音楽専科には出てません。灯歌集にで出ていたかもしれませんが、手元に資料がないため、不明です。でも間違いなく69~70年ごろに歌ってます。エーちゃんのギターコードノートってのがありまして、当時の色々なうたごえ関係の曲のギターコードをノートに書き込んで、いつも持ち歩いていたんです。その中にこの曲のコードが書き込んであります。色々な場面で歌っていたと記憶してます。

この手の曲では、花はどこへいったの、があります。「花どこ」のページで書きましたが、この曲は反戦歌と云う割にはヒトひねり考えないとよく分からなかったのですが、「死んだ~」は日本人の書いた日本語ネイティブな歌詞のため、ストレートにその状況が思い浮かび、それだけに反戦・嫌戦の気持ちを高ぶらせてくれます。メロディもあちらサンのものより、やっぱり日本人好みのメロディーラインになっていると思います。

1~3番が「残さなかった」という言い方に対して4番が「残せなかった」。5~6番が「残っていない」と微妙に変えてくる構成も私たちに訴えかける印象を与えます。
エーちゃん個人的には、このアピールを受けて、
5番は、「みんな残っているぞ~」と叫び、6番では「歴史を繰り返さないために~」って意味合いで歌いたいです。3番から演奏スタイルを徐々に変えてますので、最後までお聴きいただければうれしいです。

前作、4拍子版はこちらから

JASRAC情報

製作日誌:
平成15年11月15日 3拍子版を作成しました
平成15年11月16日 3番以降の演奏スタイルに手を加えました。