鳥の歌
【作詞】吉川敏男
【作曲】カタロニア民謡
深き闇は 大地覆い
悲しみをうずめ
流れ来る 祈りのうた
救いを求めて
流れ来る 祈りのうた
救いを求めて
遥か遠く 彼方に射す
一筋の光
ひそやかな あの調べは
おお、鳥の歌か
ひそやかな あの調べは
おお、鳥の歌か
風は光り 緑萌えて
輝ける命
喜びに あふれ歌う
おお、鳥の歌よ
喜びに あふれ歌う
おお、鳥の歌よ
スペインのチェロ奏者パブロ・カザルスは10代でチェロ技法を革命的に改革し、バッハをはじめ多くの曲に新しい光をあて、指揮・作曲・教育にも偉大だった、今世紀最高の巨匠です。
バルセロナで世界最初の勤労者音楽協会を創立。スペイン共和国ではフランコ政権に抵抗して祖国を去り、終生、人間の尊厳と平和と自由を擁護し、ほぼ1世紀を闘いぬいた音楽家としての姿は広く知られています。
カザルスが、祖国カタロニアの民謡『鳥の歌』のチェロ用編曲を完成したのは、祖国を去ってフランスの小村プラードに住んで3年目の1942年でした。原曲は、キリスト誕生を鳥達が喜び合う様を歌ったクリスマスキャロル。カザルスはこの単純なメロディに、悲劇の祖国によせる熱い想いと、同時に祖国と世界におくる平和のメッセージを歌い込めたのです。1945年ロンドンBBC放送のカタロニア向け番組で初演。以後、演奏の最後に必ずこの曲を奏いたことは有名です。
あらゆるチェリストは、それぞれカザルスにふれ合い、それぞれ異なった感動や影響を受けている。それほどカザルスは、語りつくせないものを持っている、とも言えましょう。日本のチェロ奏者井上頼豊がチェロの道を志したのは、カザルスの『夕星の歌』に惹かれたためです。その影響は、1961年に来日したカザルスのレッスンを受けるまでも、その後も続いています。
1973年カザルス逝去の直後、井上頼豊は初めて『鳥の歌』を奏いたそうです。
(うたごえCDの解説より)
1971年10月24日、94歳のカザルスが国連本部で、「私の故郷カタルーニャでは、鳥たちはピースピースと鳴きながら、空を飛ぶのです」と言って、この曲を演奏しました。
このエピソードから、笠木透作詞の「ピース・ナイン」の「カタルーニャの鳥も~」という歌詞ができてます。
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製作日誌:平成21年1月3日 | 歌詞のみ |