よみがえれ我が大地 Cill Chasis
【訳詞】横井 久美子
【作曲】アイルランド民謡
1.今はもう荒れ果てたふるさとのあの森
山もなく谷もなくせせらぎも消えた
命あるもの皆、奪われた地よ
ただ残っているのは石や岩ばかり
2.日が西に沈んでも虫の声もせず
朝日とともに聞こえた鳥の歌も絶え
命あるもの皆、奪われた地よ
よみがえれ我が大地 再びこの手に
よみがえれ我が大地 再びこの手に
Cill Chais(Kilcash)は、アイルランド、ティペレアリー郡の州庁所在地クロンメル市Clonmel近郊のバトラーButler家の1つの大邸宅でした。
この曲は、その家のマーガレット・バトラーを追悼した曲として18世紀初めに作られたものです。
この人は、二度目の結婚で、このキルキャッシュ城のトーマス・バトラー大佐に嫁いでます。
詳細は、こちらのサイトで。
原詩と英訳も掲載されていますが、5番まであるのですね。
最初に、
Now what will we do for timber,
with the last of the woods laid low?
ではじまり、
we'll see it no more laid low.
で終わってます。
16世紀のイギリスの製鉄業はもっぱら木炭を燃料としていたために森林の伐採が過度に進み自然破壊=森林の枯渇 deforestationがもたらされでしまいます。この曲の作られた18世紀初頭は、となりのアイルランドまで森林の破壊が進んだのでしょう。1708年にダービーによって石炭コークスによる製鉄法が確立された時には、森林は破壊尽くされていたわけです。
最後の森から製材された木で何を作ったんでしょうか。多分、亡くなった奥さんのお墓の十字架でも作ったのかな?
原曲は、こういう時代背景の中で作られたこともあり、現代では、アイルランドの森林再生を進める人々のスローガンとして使われているそうです。
その曲を横井久美子が、この様な詞をつけて、環境破壊がさらに進展する現在の状況に対する叫びとしています。
製作日誌:
平成18年1月3日 | 歌詞のみ |
平成18年1月8日 | MIDIをアップ |
平成18年1月14日 | 伴奏・テンポを大幅に変更。 oideさんから、「横井さんはハープ伴奏で歌っている」、という話を聴きましたので、そんな雰囲気にしてみました。 テンポは、三青さんのHPから参照してます。 |