春一番
雪をかざした木の枝に
春一番がやってきた
踏まれ踏まれたたんぽぽが
身を寄せあって咲き初(そ)めた
軒のつららを吹き落とし
春一番がやってきた
春告げ鳥の啼く声が
花のつぼみをときほぐす
(語り)
あの道の向こうの家で
妹が子守りをしていた
戦争で父と兄を亡くして
15の春のことだった
冬の扉を押し開けて
春一番がやってきた
雪解け道は遠からず
光り輝くその日まで
藤原作品8曲目です。ちょっと季節はずれですが。
森田さんからはこの詩を96年4月19日にいただいたそうです。この頃、森田さんは、北海道・矢臼別に出かけたり、かなり精力的に全国を飛び回っておられました。
その翌日4月20日に藤原さんは、最初、語りの部分を抜かして曲を作ったらしいですが、森田さんから、「春一番の作詞の中で 一番うたいたかったのは 三番目の「転」の部分です。私としては、最も大切な部分です」とアドバイスを受けたとか。それで、語りとして構成をしなおして、この全体が出来上がったわけです。
前奏が4小節
語りの部分は、4小節。最後にritで延ばして、4番に入ります。
Endingは前奏4小節をメインに繰り返してます。
8年まえに、森田さんから4篇の詩をいただいたそうです。他に、矢臼別をうたった「防風林」、それから当店でもとりあげました「もずの歌」、「沖縄よ」(『沖縄に寄せて』の原詩)。これらの曲も、併せてお聴きください。
JASRAC情報はありません
製作日誌:平成16年4月26日 | 歌詞とMIDIを作成 |
平成16年5月15日 | 楽譜を掲載。 |