その夏を教えて

【作詞】和泉サトル
【作曲】吉川 敏男

1.昔ばなしを聞かせて
  僕の知らない 歴史を教えて
  遠くなるほどに近く
  強く正しい言葉を教えて
  何十万の人々の命が燃えおちて
  すくいきれない涙の河に押し流された

  今年でいくつの夏を数えますか
  陽射しと汗に涙ぐんでしまう
  麦わら帽子を上手にかぶせて
  不安な僕に 無力な僕に
  どうぞ優しいあなたから
  その夏を教えて

2.昔ばなしにしないで
  夏はひまわりも枯れて 束の間
  命みじかき蜩(ひぐらし)
  どこかさみしい夕焼け 残して
  何十万の星くずの空を仰ぎながら
  数え切れない犠牲者の悲鳴をちりばめた

  今年でいくつの夏を数えますか
  大きな木陰を探してさまよう
  冷たい水を口移してそっと
  不安な僕に 無力な僕に
  どうぞ優しいあなたから
  その夏を教えて
  その夏を教えて


今から10年前の1995年は、被爆50周年。
今年、日本のうたごえ協議会は、「被爆60年・いのち輝け 憲法九条『平和のうた』」を募集。全部で206曲の応募があり、その中から6曲が選ばれました。

そして、10年前
日本のうたごえ協議会は、被爆50周年テーマソングを募集。
この曲が入選したわけです。
他の曲は
・(入選)地球を歩きたい
・(佳作)みんなみんなみんな

右の写真は、
当時の「被爆50周年SONG BOOK」です。
単なる歌集ではなく、資料集としての体裁も整っており、第1回原水爆禁止世界大会の宣言文、40周年の1985年2月「核兵器全面禁止・廃絶ために ヒロシマ・ナガサキからのアピール」などが掲載されています。
また、核軍縮の歩みやそのた写真などもふんだんに使われています。

10年前、当時はまだ、消費税も3%だったんですね。

エーちゃんがうたごえにカムバック(?)したのが、このサイトを開いた9年前。被爆50周年の時はドイツにおりました。
残念ながら当時の入選・佳作の曲はこの9年間に一度も聞いたことがありませんでした。
うたごえ祭典とか世界大会では毎年歌われているのかな?
とにかく、こういう曲を歌い継いで行くこと、重要ですね。8月はちょっと過ぎちゃいましたけど、遅ればせながら。各地のうたごえ喫茶などで紹介していただくと嬉しいです。
楽譜はこちらから
(114K JPEGファイル 右クリックで保存)

10月18日のさんたま屋さんに、吉川さんに来ていただきました。

企画
原水爆禁止世界大会実行委員会
日本のうたごえ全国協議会

発行
株式会社音楽センター
価格
350円(本体価格340円)
収載曲
地球を歩きたい
あの夏を教えて
みんなみんなみんな

原爆を許すまじ
青い空は
PeaveWave
祈り
青い地球を
死んだ女の子
折り鶴
ヒロシマの有る国で
戦争はもういやだ
ケサラ
IMAGINE
We Shall Overcome
アンジェラスの鐘
あの青い空のように
大きな歌
あなたが夜明けを告げる子どもたち
私の子供たちへ
ぼくのひこうき
たんぽぽ
そうれっしゃよはしれ
みんなのうた
川の流れのように
野に咲く花のように

いとし子よ
きみとぼくの間に
サラエボよ、明日は

JASRAC情報

製作日誌:
平成17年9月5日 吉川さんにこの曲の関係資料をどっさりと送っていただきました。
混声四部合唱(テンポ=116)の楽譜もありますが、こちらはbunbunさんちですでに取り上げておりますので、ウチでは普通の楽譜(テンポ=124)でMIDIを作ってみます。
平成17年9月10日 MIDIをアップ
混声四部の前奏は14小節もあるのですが、そのうち、最後の4小節の雰囲気だけを拝借。
平成17年9月11日 種々手直ししました。いかがでしょうか
  1. 主旋律のアコの音量を約80%ダウン。
  2. 「今年で~」のメロディを流れるようにするために、
    音色をClarinetからString1に変更
    GateTimeを100%に
    SteelGuiterのアルペジオの音量を若干下げました。
  3. 「涙ぐんでしまう~」のrit.部分のMainVolumeを序々に下げて、消え入るような感じに
  4. 最後の「夏を~」の「を」を目一杯伸ばしました。
  5. 一番大きな手直しは、付点の部分。
    楽譜では、付点八分+十六分の組み合わせですが、ブチ切れる感じなので、八分の三連符の前二つをタイでつないだもの、つまり、四分音符のGateTimeを480とすると、楽譜は、360+120になっているのですが、それを320+160にした、と云うわけです。

    どんなものでしょうか。
平成17年9月17日 「今年で~」のサブパートがなかなかうまく行きません。ちょっと手を加えましたけど、どなたかHELP。
サブパートは合唱の二部という感じではなく、聴いて違和感のないような伴奏の一部と考えているのですが。
平成17年10月26日 さんたま屋でのミニライブの写真を掲載