八木節

【原曲】群馬県民謡
【採譜】千藤幸蔵

1.ハァ~ またも出ました 三角野郎が
  四角四面の 櫓の上で
  音頭取るとは 恐れながら
  文句違いや 調子の狂い
  さらりさらりと お許しなされ
  ゆるしなされあ 文句にかかるが
  オーイサネー

2.ここで名高き 国定忠治
  国は上州 佐位郡(さいごおり)にて
  親の名前を 忠兵衛と言うて
  二番息子が 忠治でござる
  生まれついての 侠客肌で
  音に聞えた 国定村の
  人のためなら 喧嘩もなさる

3.二十五歳の 厄年なれば
  すべて万事に 大事を取れと
  丁度その頃 無宿(むしゃく)の頭
  音に聞こえし 島村伊三
  彼と争う その始まりは
  かすり場所にて 三度も四度
  虫を納めて 我慢をしたが

4.一の子分の 文三が聞かぬ
  首をまつとの 引導舟を
  腰にさしたる 商売なれば
  飯の喰い上げ 捨ておかれんと
  聞いて忠治が 小首をかざし
  さらばこれから 喧嘩の用意
  いずれ頼むと 強者ばかり

5.頃は牛年 七月二日
  鎖かたびら 着込みを着し
  草鞋脚半で 身軽の仕度
  伊達の鉢巻 皆それぞれに
  手勢すぐって 境の町で
  様子うかがう 忍びの人数
  それと知らずに 島村伊三

6.もっとこの先 読みたいけれど
  上手で長いは またよけれども
  下手で長いは 御座の邪魔よ
  止めろ止めろの 声なきうちに
  ここらあたりで 段切りまするが
  オオイサネー

  


明るく健康的なうたごえといたしましては任侠モノの歌詞はちょっとね、って感じ。
楽譜と歌詞は、社会思想社「現代教養文庫」日本の民謡・東日本編 (長田暁ニ・千藤幸蔵)を参照しました。 1000曲集では、壁塗甚句のような夫婦モノの歌詞になってます。

さて、この曲群馬県民謡ということになってますが、生まれはお隣の栃木県です。名前の元は「八木宿」という、栃木県足利市福居町、群馬県から東にちょっと入ったところです。
酒樽を叩きながら、チャカポコ・チャカポコとにぎやかなお囃子です。
このお囃子に合わせて花笠を抱えた踊り子サンが踊ります。物語が語られるうたの部分では、踊り子さんは後ろを向いて足踏みをしてます。

MIDIでは、酒樽、鉦、横笛、鼓がありませんので、それぞれタンバリン、カウベル、リコーダー、パーカッションで代用してます。酒樽がなんでタンバリンなんだよ、って怒られそうです。伝統ある横笛が小学生のたて笛かよ~~~。まあ、ベースもガンガン鳴っているこんなヨサコイ風(?)の八木節もいいでしょ。
お囃子のリズムやメロディは、高校生の時に教えてもらったもの。かなりあやふやですが、「♪文句違いや 調子の狂い さらりさらりと お許しなされ」
踊りの振りから考えるとお囃子の部分が8小節程度短いです。(四分の四拍子換算)
正調 上州八木節音頭を聴きますと、16小節もありました。これじゃ、踊り子さんも途中でフリーズですね。(1000曲集では、たったの4小節ですけど)
なお、ブロードバンドの方、是非上記のサイトを訪れてみてください。ダンス八木節コンテストの模様などもアップされてます。

製作日誌:
平成16年10月30日 歌詞とMIDIをアップ
ヤギさんin大阪のバックに使ってます。