ハバネラ(恋は野の鳥)

【作詞】HALEVY LUDOVIC・MEILHAC HENRY
【作曲】ビゼーBIZET GEORGES
【訳詞】堀内敬三

1.恋は野の鳥 気まぐれ 気ままよ
  呼べど 招けど あちら向くばかり
  手管こわもて 何の役に立つとぞ
  恋知らぬ人に すりよる恋鳥

  ※おゝ 恋
   おゝ 恋
   恋はジプシーの子よ
   法も理屈もなしよ
   すげなくする人に
   あたしは焦がれる
   でもあたしに思い込まれたらば
   ご用心
   ご用心しなさいよ

   (間奏)

   でもあたしに思い込まれたらば
   ご用心
   ご用心しなさいよ

2.待てば来もせず 忘れりゃ 飛びつき
  捕る手 するりと 鳥はまた空へ
  あたりくるくる 飛んでは廻れと
  追いかけりゃ逃げて よけると離れぬ

  ※繰り返し

 


おなじみのピッチカートの前奏ではじまる、「カルメン」のハバネラ。
曲の題名は「恋は野の鳥 L'amour est un oiseau」
おっと、このタイトルは、うたごえの正統派、吉元恵子さんのHPタイトル。
というわけで、「深浦のうたごえ Ver2005」のレポートのタイトルバック用に作成したものです。
例年は、うたごえの後に歌手さんの歌った曲の中からMIDI選曲をしてましたが、今年は、事前に吉元さんにそっと教えてもらいました。で、ナント云っても、吉元さんのテーマソングですからね、この曲。
予感はしており、結構大変そうということで、事前にMIDI制作に取り掛かりました。

さて、この曲。一般的には「ハバネラ」といわれておりますが、そもそも、ハバネラって、19世紀にキューバで行われたダンス音楽で,「ハバナの踊り」という意味です。もともとは、17世紀ごろのイギリスのカントリー・ダンスで,17世紀末にフランスを経てスペインに伝わって,それが19世紀にキューバに渡りそのハバナ版が,ダンサ・アバネーラ danza habaneraという伝播をしてます。
スペインの作曲家セバスティアン・イラディエールがキューバ滞在中にハバネラを知り,そのスタイルで書いた作品「エル・アレグリート」と「ラ・パローマ 」を1840年代に発表してます。前者はビゼーが歌劇「カルメン」に取り入れてハバネラのアリアとして有名になり,後者は20世紀初頭まで,欧米で幅広く演奏されてました。
ハバネラのリズムは1拍目で大きく跳ねるような感じをもち,このリズム感はアルゼンチンに伝わってタンゴとなり、イタリアでは「オ・ソレ・ミオ」のようなナポリ民謡に,日本でも古賀政男の「湯の町エレジー」や船村徹の「別れの一本杉」に大きな影響を与えているといわれてます。

下述の「世界の名歌」という歌集ですが、タイトルは「Chanson du "Habanera"」となっており、フランスの曲に分類されてます。
カルメンって、てっきりスペインの曲かと思ってました。
吉元さんにうかがった所、
「カルメン」のオペラは、スペイン(セヴィリヤ)が舞台になっていますが、作曲者がフランスのビゼ-ですので、フランス語のテキストです。舞台がスペインであり、カルメンという女性はスペインの代名詞的にもなっていますので、当然、スペイン語かな?と思う人も多いと思いますが...。(フランス語は声楽家泣かせです)
この曲に関して、私の「ソット・ヴォ-チェ」内の“恋は野の鳥”というタイトルで紹介しています。よろしかったら開いて見て下さいませ。(H17.9.6)
というメールをいただきました。ありがとうございました。

歌う際の歌詞付けの注意点

  1. 最初の4行のメロディはViolinです。
  2. 「おゝ恋~」の部分はFluteで鳴らしてます。
  3. 「恋は~ご用心しなさいよ」まではTrumpet
  4. その後に4小節の間奏をFluteで
  5. 最後の「でも、わたしに~」は再度Trumpet
メロディの楽器を聞き分けて歌詞を追っかけてください。

我が家のLDの「カルメン」(ジェームス・レヴァイン+メトロポリタン歌劇場管弦楽団)、伍長ドン・ホセが密輸業者に落ちぶれるほどの魅力あるカルメンさん(アグネス・バルツァー)じゃないんですよね。
もちろん、CD評では、バルツァのカルメンの評価が断トツなんですけどね。
魔笛(ヴォルフガング・サヴァリッシュ+バイエルン国立歌劇場管弦楽団)でも、タミーノがパミーナ(ルチア・ポップ)の写真を見て「絶世の美女」と歌い上げるんですが、かなりふとめのパミーナにがっかり。
オペラは、現物をちょっと遠めの席から見るに限ります。それも現地で。(日本は高いよね)

当店での「ハバネラ」系の曲をもう一つご紹介します。「春のスーベニール」。併せてお聴きください。

JASRAC情報

製作日誌:
平成17年9月5日 歌詞のみ
メニューの作り間違いで一瞬の公開。
でも、ウチでの公開は、深浦うたごえのレポートの後。
平成17年9月7日 ネットで楽譜を購入。
エレクトーン用の楽譜で、ちょっと見慣れない記号などが
よく調べたら、のばら社の「日本語と原語で歌う世界の名歌」という楽譜に記載されてました。
とりあえず、エレクトーン譜の打ち込み
平成17年9月16日 どういうワケかエレクトーン譜には「おゝ恋」の2行分がないのです。のばら社の楽譜からこの分を追加
「ご用心」のあとの、チャチャンチャチャ~ンの部分にちょっと勢いをつけました。(何のことか分かります?)
平成17年9月17日 bunbunさんちのプレサイトで使ってもらいました。
平成17年9月25日 伴奏系を大幅に入れ替えたVersion2になりました。
前奏のPizzicatStringsの部分を、伴奏全体に延長
「おゝ 恋」の部分の伴奏をStrings系にしました。
これらの変更は、吉元さんからいただいた楽譜によるものです。